AA日本常任理事会
《AAとは?》
AAとは、自らに飲酒の問題があり、その飲酒のとらわれから回復しようという人たちのグループです。“酒をやめたいという願いがある”ということだけがメンバー条件であり、それ以外のことは一切問われません。
AAは1935年にアメリカ、オハイオ州のアクロンという町で、ニューヨークからこの地を訪れた証券マンのビルと地元の外科医であるボブとの出会いから始まりました。ふたりとも、どうしても自分の力だけでは酒をやめ続けることができなかったのですが、たまたま二人が出会い、二人の共通の問題である飲酒に関する体験を語り合い、お互いが相手の手助けをしている間、飲酒欲求が取り除かれていた、というのがその出発点です。
それから75年以上たった現在、AAは世界約180以上の国と地域に広がり、213万人以上のアルコホーリクがAAで回復を続けています。日本でも1975年3月に日本語によるAAミーティングが始まりました(在日外国人によるAAミーティングは戦後まもなく東京で行われていました)。現在は日本全国で580余りのグループが約1000箇所の会場でミーティングを開催しており、5,800人以上のメンバーが回復のためにミーティングに通っています。
※ここに既述されている数字に関して
・NY GSO及び日本GSO(JSO) はメンバー数の記録をとっていません。これらの情報は、GSOにリストされているグループの報告に基づくものであり、AAメンバーと名乗る人の正確な人数ではありません。
・他国GSO(60か所)を含む、世界180を超える国での活動が報告されています。情報が更新されていない国については、過去の情報をもとにカウントしています。
《AAの目的》
AAが目指す目的は、自分自身がアルコールを飲まない生き方をすることと、現在飲酒の問題があるために苦しんでいる人達に飲まない生き方ができるよう手助けするということだけに絞られています。
《メンバーになるには》
AAのメンバーになるための条件は、酒をやめたいという願望があるかどうか、ということですが、実は、はじめから自主的に酒をやめたいと思ってAAに来た人よりも、援助者や家族からプッシュされ、やむなく参加したのがきっかけでAAに参加するようになったという人の方が多いようです。又メンバーはどのグループをホームグループにするかはメンバーが決め、各グループはそれを拒否する事はできません。
《AAミーティングと運営の費用》
AAの活動の中心はAAグループが行うミーティングです。ミーティングに参加するための予約や申し込みは必要ありません。入会登録の書類もなく、住所も氏名も職業も社会的地位も年齢も一切問われません。入会金も会費もありません。AAの運営にかかる費用は、メンバーの自発的な献金(カンパのようなもの)でまかなっており、外部に寄付や資金援助を求めません。AAグループの運営はすべてAAメンバーが行っています。
ミーティングには飲酒の問題を解決したいという当事者(メンバー)しか出席できないクローズド・ミーティングと、関心のある方ならだれもが出席できるオープン・ミーティングがあります。ミーティングは基本的に、酒の問題がある人なら、世界中どこのAAミーティングにも自由に参加できますが、中には特別ミーティングといって、女性だけしか参加できないミーティングや若者しか参加できないミーティングもあります。
ミーティングはいろいろやり方があります。あらかじめ話し手が決まっていて、参加者はその話を聞くだけという大規模なミーティングから、その日のミーティングの司会者がだしたテーマに沿って、参加メンバーひとりひとりが、飲酒にまつわる自分の体験や感情を話すものなどいろいろあり、決まった形式というのはありません。ただ、話されたことに批判や意見をはさまず、またミーティングの妨害をしないという基本的な約束事があります。それによって、その時のひとりひとりの思いがミーティングの場で、みな安心して自分のことを話すことができ、又、受け入れられ、同じ体験をした人どうしの共感や理解に包まれます。
《AAは宗教活動か?》
AAは宗教活動ではありません。宗教関係の方々からは厚いご理解とご支持をいただいておりますが、宗教ではありません。誤解を受けやすいのは、AAの回復のプログラムにスピリチュアルな力を受け入れるという概念があるからでしょう。このスピリチュアルな力をAAでは「ハイヤーパワー」と呼び、日本語では「自分より偉大な力」と呼んでいます。たとえばそれは、アルコールが自分のコントロール力を超えた圧倒的な力であったなら、現在AAを通して飲まずに生活ができる力は、この「偉大な力」から与えられたものとして、この「偉大な力」に自分をまかせていこうというような考え方です。ただ、その偉大な力の概念をどのように解釈するか、何を偉大な力にするかは、まったく各人の選択に任されており解釈は自由です。その偉大な力を自分の宗教のなかに見いだす人もいますし、特定の宗教は信仰していないものの、それでもその力を神と呼ぶという人もたくさんいます。神という言葉に拒否感を持っている人ももちろんたくさんいます。そういう人達は、たとえば、一人ではやめられなかった力がAAグループから与えられたのだから、AAグループを偉大な力と解釈しようということもできるわけです。このようにハイヤーパワーをどうとらえるかは、純粋に個人的な解釈にまかされています。まったく信じないことも含めて。つまりAAで言う「神」は特定の宗教ではないのです。
《12のステップとは?》
AAは酒をやめることだけを目指した集まりではありません。酒が中心だった自分から酒だけが取り除かれたら、大きな空洞を抱えたままで生きていかなければなりません。アルコホーリクにとっては、酒をやめたところから回復が始まるわけですが、それにはまず、飲酒のとらわれから自分を解放する方法を見いだし、次にその空洞を埋める何かを探し出す必要があります。それが12のステップで、飲酒のために混乱した病的な感情を整理し、人間関係を修復しながら、一人の人間として成長していくことを目指したプログラムです。12のステップが「生き方のプログラム」とか「成長のためのプログラム」とよく言われるゆえんです。
AAの12のステップとは、AAの草創期のメンバーたちが試行錯誤を経て実際に回復にたどり着いた道程や、飲まない生き方を続けていくうえで取り組むべき姿勢を具体的に記したもので、抽象的な理論に基づいたものではありません。
また、12ステップの歩み方のルールはなく、いつ、どのように何番目のステップに取り掛かり、何ヶ月たったらその次のステップに取り組むという決まりもありません。このステップは回復のプログラムとして提案されたものであり、各人は自分の速度と自分のやり方でステップに取り組み、それぞれの日常生活に当てはめていくことができます。
《アノニマスとは》
アノニマスという言葉はAAでは“無名の”と訳しています。匿名という意味もあるのですが、AAでは名前を隠すというよりも、無名にとどまるという意味にとらえています。無名にとどまるということにはいくつかの意味があります。
まず個人レベルの身近な意味から追っていくと:
- その人がアルコホーリクだということが他の人によって明かされません。自分自身の氏名、住まい、職業、家族のこと、社会的な背景、宗教、人種、経歴、といった一切のこともAAでは明かす必要はありませんし、他の人から明かすように強いられることもありません。その人自身が自分のことをどこまで話すかは、その人が自分で決めることです。
- ミーティングで話されたその人個人のことがほかの場で明かされません。だからミーティングでは安心して自分のことやそのときの自分の気持ち、飲酒によって生じたトラブルや罪悪感などのさまざまな感情を正直に話せるのです。社会での肩書を捨ててありのままの自分でそこに参加できる安心感もあります
- マスコミではAAメンバーとして個人のフルネームを出したり顔を正面から見せることはありません。AAは、AAそのものについて、また、その回復のプログラムについて、多くの人たちに知っていただこうと積極的な努力をしていますが、誰がAAメンバーであるかを知っていただこうとはしません。いわゆるコマーシャル等のようにスター性のあるAAメンバーを表面に出してAAを宣伝することもしません。
- その背景にあるのが、AAが最も基本とする「個人よりもAAの基本原則を優先させる」と言う考え方です。特定の個人が表面に出、中心的になることで、AAが名誉欲や評判、権力を得るために利用されることのないよう、各メンバーのエゴイズムに歯止めをかけるためのものでもあります。AAの原理を優先し、個人をたたえることをせず、メンバー全員が平等であるという理念の中から、一人一人のなかに本当の謙虚さが身につくようになり、それによって、他の人たちを“ひきつける魅力”がおのずと生じ、派手な宣伝をする必要がなくなるのでしょう。
《AAの12の伝統とは?》
回復のための指針が「12のステップ」なら、AAという集合体を構成する各グループが、確実に成長し、存続し、それによって各メンバーの居場所が確保されるための指針が、「12の伝統」です。酒をやめたいという願望のある人はだれでもAAのメンバーになれること、グループの目的はAAの回復のメッセ-ジをいままだ苦しんでいる人に運ぶだけということ、運営はメンバーの献金だけで経済的に自立して行うこと、AA活動そのものを職業としないこと、メンバー間の上下・支配関係を排除すること、あらゆる外部機関と距離を置いて(もちろん協力は惜しまないが)従属関係を持たないこと、マスコミの分野では無名に徹すること、などがその主な内容です。同じ病気の回復者であるということ以外、この病気について何の専門教育も受けていない、しろうとのメンバーの集まりであるAAは、そのAA活動のために報酬をうけることもしませんし、衣食住や金銭面での援助も、医療行為も行うことができません。このようなことは専門機関にお願いすべきという立場を守っています。
『AA日本ゼネラルサービスオフィス(JSO)AAサービス資料 2024.7』より
